「ブラストメールから情報が漏れた」と聞いても、登録した覚えがない。いつもの会社からメールが来なくなった。この二つは、同じ問題に関係している可能性があります。
ブラストメールは、ラクスの子会社であるラクスライトクラウドが提供する、企業や団体がメールマガジンやお知らせを一斉送信するためのサービスです。読者本人がブラストメールと契約していなくても、配信元が利用していれば、配信先として情報が登録されている場合があります。
ただし、契約した会社の情報と、メールを受け取る人の情報は、漏えいの確認範囲が異なります。この記事では、自分の情報を確かめる手順と、メールが届かない間の確認先をまとめます。【10月30日追記】エックスサーバーは、メール配信サービスに登録していた45万9,679件のメールアドレスの漏えいを確認しました。対象者向けの個別通知についても解説します。情報確認日:2026年10月30日(各社の発表日は本文に記載)。
自分のメールアドレスも対象?まず配信元を確認する
最初に確認するのは、普段メールを送ってくる会社・学校・団体のお知らせです。今回の発表だけで、全国のメルマガ読者が一律に対象とは判断できません。
①いつもの配信元を探す。受信箱で、届かなくなったメルマガ名や会社名を検索します。本文や署名にブラストメールの記載があれば手がかりになりますが、記載がないことだけで対象外とは判断できません。
②公式サイトのお知らせを開く。普段のブックマークなどから配信元のサイトを開き、「ブラストメール」「メール配信停止」「個人情報」などの案内を探してください。届いたメールのリンクだけを頼りにしないようにします。
③情報の種類と対象条件を読む。メールアドレスだけなのか、氏名なども含むのか、漏えい確認済みなのか調査中なのかを確かめます。通知がまだないことと、対象外と確認されたことは同じではありません。
自分の情報が対象か分からないときは、まず登録先の会社・団体へ、対象確認の方法を問い合わせてください。ブラストメールと直接契約している担当者は、運営元からの個別連絡も確認します。
何が漏れた?「契約者」と「配信先」を分けて読む
ラクスの10月21日付第2報では、販売管理システムから、全契約者の会社名・担当者名・電話番号・メールアドレス・請求先メールアドレス・契約や支払いの履歴などが持ち出されたと説明しています。クレジットカード番号は同社では保持していないとしています。
一方、配信先リストなど、メール配信に関する情報の漏えいが確認されたのは一部の契約者です。「全契約者の情報が流出」を「すべてのメルマガ読者の情報が流出」と読み替えることはできません。
配信先に登録されていた項目は、会社・団体ごとに異なります。カード番号を保持していないという運営元の説明も、すべての配信先データの項目を示したものではありません。自分の対象情報は、登録先の発表で確認してください。
公式発表で確認できた配信元の例
以下は今回確認できた例です。全国の対象先を網羅する一覧ではありません。また、掲載先すべてで情報漏えいが確認されたという意味でもありません。
レグザメンバーズ:10月26日の発表では、メールアドレスに漏えいの可能性があると案内。同日10時時点では実際の流出は確認されていません。ブラストメールには住所・氏名・電話番号等を登録していないと説明し、レグザメンバーズの一時停止も案内しています。
REGZA公式のお知らせを確認する。個別のメール配信自体ができないため、まず公式サイトで案内しているとの説明もあります。通知メールが届くまで待つだけでは、告知を見落とす場合があります。
中央大学父母連絡会:10月26日の告知では、メールマガジンや支部からのお知らせに加え、配信登録・登録解除の新規受付も停止。同日10時現在、大学関係者の個人情報の漏えいは確認されていないとしています。
中央大学公式のお知らせを確認する。配信停止のため届かない状態と、自分の情報が漏れたかどうかは分けて確認してください。
JUIDA:10月27日の続報でもメール配信停止・再開時期未定を案内。同発表時点では、登録した会員情報等の漏えいは確認されていません。過去に配信したメール内の一部リンクにも正常にアクセスできない場合があると説明しています。
JUIDA公式の10月27日続報を確認する。過去のリンクが開けない場合も、公式サイトから案内を探してください。
ダイハツ工業:メディアサイト登録者の情報に影響(10月27日公表)
ダイハツ工業は、メディア・報道関係者向けの「ダイハツメディアサイト」などで利用するブラストメールへの不正アクセスに伴い、同サイト登録者の個人情報が外部へ漏えいしたとの報告を運営元から受けたと発表しました。
同社が「漏えいの可能性がある個人情報」として挙げた項目は、氏名・会社名・役職・メールアドレスです。対象はメディアサイト登録者についての発表で、ダイハツ車の購入者全体が対象と発表されたものではありません。確認した発表に対象件数の記載はありません。
発表時点で、情報の不正利用や二次被害は確認されていません。一方、メディアサイトは利用できず、再開時期は不明としています。同社や関係者を名乗る不審なメールが届いた場合は、URLへのアクセスや添付ファイルの開封を控え、公式案内を確認してください。
出典:ダイハツ工業:外部サービスへの不正アクセスに伴う個人情報漏えいについて(2026年10月27日)。
エックスサーバー:メールアドレス45万9,679件の漏えいが判明(10月29日更新)
エックスサーバー株式会社は2026年10月29日、外部メール配信サービス「ブラストメール」から漏えいした顧客情報の詳細を公表しました。漏えいが確認されたメールアドレスは45万9,679件です。
今回不正アクセスを受けたのは、エックスサーバーがニュースやキャンペーンの案内に利用していた委託先のメール配信サービスです。エックスサーバーのサーバーや管理画面への不正アクセスは確認されていません。利用者のWebサイトが侵害されたという発表でもありません。
漏えいした情報と件数
| 情報の種類 | 件数 |
|---|---|
| メールアドレス | 459,679件 |
| 氏名・氏名フリガナ | 380,384件 |
| 会社名・会社名フリガナ | 115,702件 |
| XServerアカウントID | 692件 |
| 利用サービス名 | 316,453件 |
| XServerアカウントの登録日 | 431,076件 |
| 個人・法人の区分 | 431,076件 |
| ニュース・キャンペーン情報の配信希望状況 | 429,382件 |
※45万9,679件はメールアドレスの件数であり、被害者の人数を示すものではありません。また、漏えいした項目は利用者ごとに異なるため、表の件数は合算できません。
一方、ログインパスワード、住所、電話番号、クレジットカード情報などの決済情報は、今回の漏えい対象に含まれていません。エックスサーバーは、今回の漏えいだけを理由としたパスワード変更やカード再発行は必要ないと案内しています。
対象者には個別通知。届いたら確認したいこと
エックスサーバーは、対象者に漏えいした情報をメールで個別に案内しています。10月30日に送られた通知でも、対象となった情報の種類と、不審な連絡への注意事項が説明されています。
通知が届いた場合は、次の点を確認してください。
- メールに書かれた漏えい項目を確認する。すべての対象者で同じ情報が漏れたわけではありません。
- 「お詫び」「本人確認」「支払い確認」を装うメールやSMSのリンクから、ログイン情報やカード情報を入力しない。
- XServerアカウントの二段階認証が未設定なら、普段のブックマークなどから公式サイトを開いて設定する。
通知メールが届かない場合も、それだけで対象外と判断せず、エックスサーバーの公式発表やサポート窓口を確認してください。
なお、不審なサイトにパスワードを入力してしまった場合は今回の漏えいとは別に対応が必要です。公式サイトからパスワードを変更し、同じパスワードを使っているサービスも確認してください。
エックスサーバーはブラストメールとのデータ連携を停止し、同サービスの利用を終了して自社開発のメール配信システムへ移行する方針です。
公式情報:
メールが届かない・登録解除できないときは
配信元が停止を公表している場合、スマートフォンの再起動や受信許可設定の変更だけで、停止中の配信が再開するわけではありません。まず公式サイトで、必要な案内が別途公開されていないか確認しましょう。
行事、予約、会員向け情報などの期限が迫っている場合は、「いつ再開するか」だけでなく、「停止中にその情報を確認する方法はあるか」を配信元へ尋ねてください。メールが届かなくても、申込期限が自動的に延びるとは限りません。
中央大学のように登録・解除受付も止まっている例がありますが、すべての配信元の解除方法が同じとは限りません。解除を希望する場合は、停止中のリンクを何度も押す前に、配信元の公式窓口で代替手続きの有無を確認します。
「再登録」「お詫び」を装うメールで追加情報を渡さない
情報漏えいの通知が届くと、「確認のため」と言われて入力を進めたくなるかもしれません。ところが、その連絡自体が偽物の場合もあります。
「配信再開のためパスワードを入力」「お詫びの受取にカード登録が必要」といった連絡が来ても、本文から操作を進めず、公式サイトで同じ案内を確認してください。これらは想定される手口の例であり、今回発生が確認された被害を紹介しているものではありません。
すでに不審なページでパスワードを入力した場合は、そのサービスの正規サイトから変更し、同じものを使い回している先も見直します。カード情報を入力した場合や覚えのない請求がある場合は、カード会社の公式窓口へ相談してください。メールを受信しただけで、直ちにパスワードやカード番号まで漏れたとは判断できません。

配信担当者が確認したいこと
契約担当者は、運営元の個別通知と、自社が登録した配信先データの項目・期間を照合してください。自社の顧客への影響と、自社の担当者情報への影響を分けて整理すると、通知の書き間違いを防げます。
停止中の周知先、返信を受けられる窓口、期限のある案内の代替方法も決めておくと、読者の問い合わせに対応しやすくなります。別サービスで配信を再開する場合は、データの利用条件・配信停止希望・送信元認証などを確認してから進めます。これは運用上の補足であり、特定サービスへの移行を公式が一律に求めたという説明ではありません。
再開はいつ?次に確認する場所
10月27日付のJUIDAの案内では、メール配信は停止中で、再開時期は未定です。ただし、この記事の確認後も状況は変わり得ます。自分が登録した配信元と、ブラストメール運営元の告知で最新状況を確認してください。
漏えい範囲は10月21日のラクス公式第2報、利用団体の状況は各発表日時に基づきます。最新状況は運営元と配信元で確認してください。
また、ユミルリンクの「Cuenote FC」は別の会社の別サービスです。Cuenote FCの件数や対象企業を、そのままブラストメールの対象として扱うことはできません。
ほかのサービスから漏えい通知を受けた場合は、個人情報漏えいの通知が来たときの情報別の対処も参考にしてください。大切なのは、情報の種類と、自分が何を入力・操作したかに合わせて対応することです。


