Googleの「Gemini Agent」が、Microsoft 365を利用する職場でも選択肢になりそうです。ただし、発表を見て「今日からWordやExcelにGeminiのボタンが追加される」と考えるのは早い段階です。
この記事では、公式発表で確認できた連携の範囲と、まだ分からない提供条件を分けて整理します。Copilotと比較するときに見るべき点も、導入担当者の視点でまとめました。
情報確認日:2026年10月11日。実機検証記事ではありません。導入時の提案・評価例は筆者の考察です。
Gemini Agentの発表で分かったこと
Google Cloudは現地時間2026年10月8日、「Gemini at Work 2026」で業務向けのGeminiエージェントを発表しました。質問への回答に加え、仕事の計画、ツールを使った処理、成果物の作成まで担う構想です。Google公式発表で確認できます。
Google Cloudの説明では、アクセスできるチャネルにMicrosoft 365が含まれ、接続先にはMicrosoft OfficeやTeamsも挙げられています。また、クラウドで作業を継続し、端末やアクセス経路が変わっても文脈を維持する設計です。
一方、アプリ内部で直接動く機能の具体的な説明は、GmailやGoogleドキュメントなどGoogle Workspace向けです。この説明を、そのままWordやExcelの操作画面にも当てはめることはできません。出典:Google Cloud公式ブログ。
Word・Excelで今すぐ使える?提供日と料金の確認状況
| 知りたいこと | 今回確認できた範囲 |
|---|---|
| Microsoft 365との対応 | 公式発表に記載あり |
| Word・Excelでの起動方法 | 具体的なボタン、アドイン、操作手順は確認できず |
| 日本で利用できる日 | 今回確認した公式発表では確認できず |
| 対象となる契約・追加料金 | 今回の新エージェントのM365連携に必要な条件は確認できず |
| 誰でも使える無料機能か | そのような案内は確認できず |
日本での提供日や対象プランは、今回確認した公式発表では分かりません。現在の契約で利用したい場合は、Google側に新しいGeminiエージェントのMicrosoft 365連携を試せるかと問い合わせるのが確実です。
Microsoftとの連携自体は、今回が初めてではない
Gemini Enterpriseの公式リリースノートには、9月29日付でOutlookのメール作成・返信などのアクションが一般提供になったことが記載されています。9月18日にはOneDrive、SharePoint、Teamsの追加アクションがパブリックプレビューとして案内されていました。
既存の接続機能と、10月8日に発表された汎用エージェントは、同じ提供状況とは限りません。「Microsoftのデータに接続できる」「操作を実行できる」「Officeの画面から使える」を一つにまとめず、それぞれ確認する必要があります。出典:Gemini Enterprise公式リリースノート。
Copilotとの違いは?比較は利用画面と業務範囲から
Microsoft側には、Wordの下書き・書き換え、Excelの分析など、アプリ別のCopilot機能が用意されています。利用できる体験はライセンスやテナント設定で異なり、組織データを利用する範囲も契約によって変わります。出典:Microsoft公式のCopilot概要。
| 比較する点 | Gemini Agent | Microsoft側のCopilot |
|---|---|---|
| アプリ内の操作 | M365対応は発表。Word・Excelでの具体的な操作は要確認 | Word・Excelなどの機能を公式に案内 |
| 自社で試せるか | 新機能の利用条件をGoogle側へ確認 | 契約と管理者設定に応じて確認 |
| 評価したい業務 | 複数サービスをまたぐ仕事が自社で実行できるか | 日常のM365業務で必要な機能を使えるか |
| 費用比較 | 新機能の見積もり条件を確認してから | 既存契約・追加ライセンス・従量課金の対象を確認 |
表の「評価したい業務」「費用比較」は、導入時の確認項目です。性能の優劣を示したものではありません。Copilotにもエージェント機能があるため、「Copilotは文章生成だけ、Geminiは自動実行」という比較は適切ではありません。
たとえば、Wordの文章を短くすることが主目的なら、普段の画面で完結するかが大切です。一方、別のサービスから資料を集めて報告書を作る仕事なら、対象サービスへの接続、必要な権限、完成後の確認方法まで比較すると判断しやすくなります。

情シスが導入前に確認したい5つのこと
発表を受けてすぐに契約を変更するより、試したい仕事を一つ決めて、次の項目を確認することをおすすめします。
- 実際の利用画面:Word・Excelのどこから使うのか。Web版とデスクトップ版で差があるのか。
- データの扱い:どの情報を取得し、どこに保存し、いつ削除できるのか。自社の規程に合うか。
- 読み取りと書き込みの権限:資料の検索だけで足りるのか。メール送信やファイル変更まで許可する必要があるのか。
- 履歴と復旧:担当者が操作履歴を確認できるか。誤った変更を元に戻せるか。
- 費用と停止方法:追加契約や従量課金の条件は何か。試行を終えるときに接続・権限を解除できるか。
特に、文書の要約と、メールの送信では失敗時の影響が違います。最初の試行は、公開してよい資料で下書きを作らせ、人が内容を確認するところまでにすると、成果と問題点を把握しやすくなります。
試すなら「月次報告の下書き」で評価する
以下は、利用条件を確認できた後の評価例です。今回発表された機能で、この手順がすべて実行できると確認したものではありません。
指定した資料だけを使って、月次報告の下書きを作成してください。実績と課題を分け、数字の出典を添えてください。情報が足りない箇所は未確認と記載し、送信や元資料の変更は行わないでください。
同じ資料・同じ依頼で比較し、完成までの時間、数字の誤り、出典の分かりやすさ、人が直した箇所を記録します。「回答が速い」だけでなく、確認と修正を含めて仕事が早く終わるかを見るのがポイントです。
よくある疑問
無料のGeminiアプリでも使えますか?
今回の企業向け機能が、個人向けの無料アプリに含まれるとは確認できません。無料版の使い方として案内することはできません。
Copilotの契約は解約してよいですか?
現時点の発表だけでは判断できません。現在使っている機能が代替できるか、新機能の利用条件と見積もりを確認してから比較してください。
Gemini Agentの設定手順はありますか?
新エージェントをWord・Excelで起動する具体的な手順は、今回確認した公式資料では分かりません。
まずは自社で使える範囲を確認しよう
今回の発表は、Microsoft 365を使う職場にとっても注目する価値があります。選択肢を評価するときは、製品名だけでなく「いつ、どの画面で、どの資料に対して、どこまで任せられるか」を具体的に確認しましょう。
導入判断は、一つの仕事を試してからで十分です。日常業務の下書きを作らせ、確認にかかる時間まで記録すれば、自社に必要な機能が見えてきます。


