「職場でm-FILTERを使っているけれど、今回の不正アクセスの対象なのか」。まず確かめたいのは、製品名に加えて利用しているエディションです。
デジタルアーツは2026年10月21日、クラウドサービスの運用環境と社内環境への不正アクセスを公表しました。m-FILTER@Cloudについて、公式発表が対象に挙げているのはModern Editionです。対象6サービスの利用者には、管理者用・利用者用パスワードの変更が求められています。
私の職場でも利用中のシリアルNoを確認したところ、左から4文字目がCで、Classic Editionでした。この記事では、同じように自分の契約を調べる方法と、Classic/Modernの違いを整理します。
確認日:2026年10月21日。事故の状況は同日公表の公式発表に基づきます。
最初に確認:m-FILTER@CloudはシリアルNoの4文字目を見る
m-FILTER@Cloudのエディションは、シリアルNoを左から数えた4文字目で確認できます。判別に使うのは4文字目の英字です。4文字目がCならClassic Editionです。
| 左から4文字目 | エディション | 今回の公式発表との照合 |
|---|---|---|
| C | Classic Edition | 対象一覧に記載なし |
| M | Modern Edition | 対象一覧に記載あり。パスワード変更要請の対象 |
| N | 誤送信対策版 | この名称では対象一覧に記載なし。受領した個別案内も確認 |
CとMの対応は公式FAQのエディション比較、Nの対応は誤送信対策版の公式FAQで確認できます。この見分け方はm-FILTER@Cloudについてのものです。i-FILTER@Cloudなど、別製品のシリアルへそのまま当てはめないでください。
出典:Classic/Modernの違い(FAQ 7179)、誤送信対策版のシリアルと機能(FAQ 6349)
シリアルNoはどこで確認する?
- 管理者が、普段利用しているDigitalArts@Cloudの統合管理画面にログインします。
- [基本設定]→[共通設定]→[アカウント情報]を開き、[契約情報変更]へ進みます。
- 表示された契約情報のシリアルNoを確認し、m-FILTER@Cloudの番号の左から4文字目を読み取ります。
公式FAQは、m-FILTER@CloudなどのシリアルNoと登録メールアドレスの確認箇所として、この画面を案内しています。確認のために契約内容を変更する必要はありません。管理権限がない場合は、社内の管理担当者にエディション名を確認してもらいましょう。
出典:各製品のシリアルNoを確認する画面(FAQ 1564)
私の職場では「4文字目がC」だった
私の職場でシリアルNoを確認すると、左から4文字目がCでした。このことから、Classic Editionだと確認できました。
2026年10月21日の公式発表では、m-FILTER@Cloudの対象表記はModern Editionであり、Classic Editionは対象一覧に記載されていません。契約番号全体や職場の管理画面を公開せずとも、この4文字目でエディションを照合できます。
ただし、同じ職場でi-FILTER@CloudやFINAL CODE@Cloudなども使っている場合は、それぞれ別に確認が必要です。m-FILTERがClassicだったという確認だけで、ほかの契約まで対象外にはなりません。
デジタルアーツの不正アクセスで何が公表された?
同社は10月9日の総点検で痕跡を発見。第三者に取得された運用用の認証情報を使い、サービス運用環境へ侵入されたと説明しています。一部顧客の情報が閲覧された可能性があり、痕跡には2025年7月頃のものも含まれます。
一方、10月21日正午時点で外部への持ち出しは確認されておらず、悪用・二次被害の報告もないとしています。「閲覧の可能性」と「外部流出の確認」は分けて読む必要があります。
出典:デジタルアーツ「当社への不正アクセスに関するお知らせとお詫び」
パスワード変更が求められている6サービス
- i-FILTER@Cloud
- m-FILTER@Cloud(Modern Edition)
- m-FILTER MailAdviser Microsoft 365対応版
- FINAL CODE@Cloud
- z-FILTER
- Desk
対象サービスを利用するすべての顧客に、管理者用と利用者用のパスワード変更を要請しています。追加対応が必要な顧客には個別連絡を行うとしています。自社環境に導入するソフトウェア版は対象外です。
Classic EditionとModern Editionの違いを比較
公式FAQによると、従来のサービスをClassic Edition、UIを刷新したサービスをModern Editionと呼んでいます。違いは名前や見た目だけでなく、利用できるオプションや一部の設定箇所にもあります。
| 比較項目 | Classic Edition | Modern Edition |
|---|---|---|
| シリアルNoの4文字目 | C | M |
| 画面の位置付け | 従来のUI | UIを刷新 |
| Splunk連携オプション | 利用可能 | 利用不可 |
| クリプト便 for m-FILTER@Cloud | 利用可能 | 利用不可 |
| Dアラート発信レポートサービス | 利用可能 | 利用不可 |
| ゲートウェイIPの確認箇所 | [基本設定]→[共通設定]→[アカウント情報]など | [基本設定]→[メール設定]→[内部ドメイン] |
| 今回の対象一覧 | 記載なし | 記載あり |
オプションの「利用可能」は標準料金に含まれるという意味ではありません。エディションの違いは公式FAQ 7179(2026年6月5日更新)、ゲートウェイIPの確認箇所はFAQ 4200(2026年8月19日更新)に基づきます。
出典:Classic/Modernの違い、ゲートウェイIPアドレスの確認方法
情報漏えいが疑われる送信メールの検知にも違いがある
公式FAQでは、Classic Editionは登録されたフリーメール宛の送信メールを対象とし、該当するルールで保留されたメールをインシデントとして扱うと説明しています。登録先は[ルール]→[キーワードリスト]で確認できます。
Modern Editionと誤送信対策版では、情報の持ち出しが強く疑われる送信を判別する基準を、同社が継続して見直す仕組みです。詳細な判定基準は非公開です。
これはメールの判定機能の違いです。今回、Classic Editionが対象一覧にない理由や、侵入の原因を説明する情報としては公表されていません。

対象サービスを使っていた場合に進めること
- 契約しているサービスとエディションを照合する。
- 公式の要請に沿って、管理者用・利用者用のパスワードを変更する。
- 個別の追加対応案内が届いていないか、管理担当者や契約窓口で確認する。
社内で進める場合は、対象アカウントの一覧を用意し、管理者だけでなく利用者の変更も確認すると、対応漏れを減らせます。これは本記事からの運用上の提案です。
パスワード変更は、顧客側で求められている対応です。同社は別途、不正利用された認証情報の無効化、運用認証情報とサーバー認証鍵の交換、不審なプログラムの停止を実施したと説明しています。
よくある疑問
Classic Editionなら何もしなくてよい?
今回の公式発表の対象一覧には記載されていません。まずはほかの対象サービスの併用と、個別案内の有無を確認しましょう。この発表だけを根拠にClassicからの乗り換えを判断する必要はありません。
メール本文やパスワードの流出は確定した?
10月21日の公表では、閲覧された可能性のある情報の具体的な項目や件数までは分かりません。メール本文やパスワードの流出が確定したとは書かれていません。
シリアルの4文字目がNだったら?
公式FAQでは誤送信対策版です。今回の対象一覧にはこの名称が明記されていないため、独自にModern Editionへ読み替えず、受け取った案内や契約窓口で対象範囲を確認してください。
まずは製品名とエディションを確認しよう
m-FILTER@Cloudの利用者は、シリアルNoの左から4文字目を確認すると、ClassicかModernかを切り分けられます。Modern Edition、または今回挙げられたほかのサービスを使っている場合は、公式案内に沿ってパスワード変更を進めてください。


