システム監査技術者試験をはじめ、論文系の高度情報処理技術者試験を受けた後、こんなふうに思ったことはありませんか。
「合格していてほしい」「いや、あの出来では不合格かもしれない」——そんなふうに、結果が気になって落ち着かない方も多いはずです。
結論からお伝えすると、IPAへ情報開示請求を行えば、ご自身が試験本番で書いた答案のコピーを取り寄せることができます。費用は総額で約700円、期間は約1か月半です。
- 「今回は手応えあった」
- 「論文うまく書けた気がする」
- 「でも必死すぎて何書いたか覚えてない…」
多くの参考書では、試験後すぐに復元答案を作成するようにと書かれています。
でも、なかなか難しいですよね。私自身も子育て中のため、試験が終わるとすぐに自宅へ向かってしまい、ゆっくり再現答案を作る余裕はありませんでした。
不合格だった場合は、次の試験対策として「自分が本番でどんな解答をしたのか」を客観的に知っておくことが、弱点をつぶす近道になります。
また、合格した場合でも、記述式や論文系の試験では「自分が何を書いたのか」がどうしても気になります。
私が受験したシステム監査技術者試験の
特に午後Ⅱ(論文)は、
- 2時間フル手書き
- 見直す余裕ほぼなし
- ある程度事前準備しているものの、その場の勢いで書く
なので、数日経過すると記憶にはほとんど残っていません。それでも、せっかく合格したのだから合格答案を記念として手元に残しておきたいと思い、答案を情報開示請求することにしました。
この記事でわかること(費用・期間・必要書類)
先に全体像をまとめておきます。詳しい手順は後半でひとつずつ解説します。
| 項目 | 内容(私の実体験) |
|---|---|
| 対象となる試験 | 記述式・論述式の答案(システム監査などの論文系を含む) |
| 費用の目安 | 総額 約700円(手数料300円+郵送・切手代など) |
| かかる期間 | 約1か月半(私は3/20請求 → 4/30答案到着) |
| 必要なもの | 開示請求書・本人確認書類・住民票の写し・手数料(振込または小為替) |
| 請求の期限 | 試験日からおおむね1年以内(過ぎると廃棄され不開示) |
| 届くもの | 答案のカラーコピー(点数・採点結果は非公開/黒塗り) |
なぜ答案を開示請求するのか|不合格でも合格でも価値がある
システム監査技術者試験は受験者数が少ないニッチな試験ですが、だからこそ自分の答案を見直す意味は大きいと感じています。動機は、合否によって次のように分かれます。
不合格だった方|次の戦略を立てる材料になる
論文系の試験では、再現答案を正確に作るのは至難の業です。記憶があいまいなまま「たぶんこう書いた」と思い込んで対策すると、本当の弱点を見落としかねません。実際の答案を取り寄せれば、設問の要求にどこまで答えられていたか、表現が重複していなかったかなどを客観的に振り返ることができ、次の受験に向けた具体的な改善点が見えてきます。
合格した方|何を書いたか忘れる前に記念として残せる
論文系の試験は2時間ほどフルで手書きするため、合格していても数日経つと内容をほとんど覚えていません。せっかく合格した答案は、自分が本番でどこまで書けたのかという記録であり、記念の一枚でもあります。手元に残しておくと、その後のモチベーションにもつながります。
IPAへの答案開示請求の流れ【全4ステップ】
IPAの下記サイトに説明されていますので、
簡略化して解説します。
https://www.ipa.go.jp/privacy/seikyu.html
手数料(1部なら300円)を銀行振込又は郵便小為替を用意してから、
次の書類を送付
- 記入した保有個人情報開示請求書
- 本人確認書類
- 郵便小為替(振込すれば不要です。)
郵送するための切手代(私の場合は110円)が必要です。
開示請求書の記載に不備等がなければ、
この通知書が届きます。
私の場合は、3月21日に情報開示請求して、
4月15日に簡易書留で開示決定通知書が届きました。
※書類が廃棄済みだと不開示になるようです。
早めに請求しましょう。
開示決定通知書を受領してから30日以内に
開示実施申出書を送付する必要があります。
開示決定通知書に記載された送付に要する費用(郵送代)
として切手を同封して請求します。
私の場合は180円でした。
ここでも郵送するための切手代(私の場合は110円)が必要です。
IPAから答案が届きます。
開示請求にかかった期間と費用(実体験スケジュール)
| 日付 | アクション |
|---|---|
| 3月20日 | ・コンビニで住民票の写しを取得 ・情報開示、請求費用の300円をIPAへ振り込む |
| 3月21日 | 情報開示請求書をIPAへ発送 |
| 4月15日 | IPAから開示決定通知書が簡易書留で届く |
| 4月17日 | 開示の実施方法等申出書をIPAへ発送 |
| 4月30日 | IPAから答案が簡易書留で届く |
答案を請求できる期間はいつまで?
「独立行政法人情報処理推進機構法人文書管理規程」によると、試験答案の保存期間は文書作成取得日(試験実施日)の属する年度の翌年度4月1日を起算日として1年間保存されるとあります。
| 試験時期 | 試験日(例) | 保存期間の起算日 | 保存期間の満了日 | 試験日からの実質期間 |
|---|---|---|---|---|
| 春期試験 | 2025年4月中旬 | 2026年4月1日 | 2027年3月31日 | 約1年11ヶ月 |
| 秋期試験 | 2025年10月中旬 | 2026年4月1日 | 2027年3月31日 | 約1年5ヶ月 |
👉 請求期限の目安として、手紙のやり取り期間も考えると
試験日から1年以内に行う方が良いです。
開示請求でよくある疑問(FAQ)
Q. 早めに請求したほうがいいですか?
A. はい。答案は保存期間が過ぎると廃棄され、不開示となってしまいます。早めの請求をおすすめします。一方で、合格発表前のあまりに早いタイミングは採点との兼ね合いで避けたほうが無難なため、合格発表後から試験日1年以内を目安に請求するとよいでしょう。
Q. 点数や採点結果は見られますか?
A. 見られません。開示されるのは自分が記述した答案の内容のみで、設問ごとの点数は非公開、採点結果の部分は黒塗りで届きます。あくまで「自分が何を書いたか」を確認するための資料と考えてください。
Q. 春期と秋期の答案をまとめて請求できますか?
A. できます。ただし手数料は1試験(1回分)につき300円かかるため、2回分なら600円になります。連続して受験した試験をまとめて請求すると、郵送のやり取りが一度で済むぶん効率的です。
実際の手続きの進め方
① 開示請求書の作成と送付
開示請求書作成
IPAのサイトからダウンロード
(Wordで入力でも手書きでもOK)
記載内容
- 氏名
- 電話番号
- 住所
- 受験番号
- 試験区分
- 開示を請求する保有個人情報(以下は私の場合の記載例です。
情報処理技術者試験の下記受験番号の答案(午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ)に係る本人の個人情報 令和〇年度秋期 受験番号 - 写しの交付を請求する

② 必要書類
- 住民票(必須)
- 本人確認書類コピー
- (振込しない場合は)郵便小為替
手数料は「銀行振込」と「郵便小為替」どちらがお得?
手数料300円の支払い方法は、銀行振込か郵便小為替(定額小為替証書)から選べます。郵便小為替はゆうちょ銀行の窓口へ行く必要があるうえ、証書1枚につき発行手数料がかかるため、トータルでは割高になりがちです。ネットバンキングが使えるなら、振込のほうが安く・早く済むことが多いです。私は振込を利用したため、小為替は同封しませんでした。
③ IPAへ郵送
宛先:
※念のため郵送前に公式サイトでご確認ください。
〒113-6591
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
文京グリーンコートセンターオフィス13階
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
経営企画センター 経営企画部 情報公開・個人情報保護グループ 御中
開示決定通知書


保有個人情報の開示の実施方法等申出書の提出(手数料納付)
開示請求書と同様にIPAのサイトからダウンロード
(Wordで入力でも手書きでもOK)
記載内容も同じ内容が多いのですが、次の点にご注意ください。
- 文書番号と日付は開示決定通知書右上に記載のものを書く
- 実施の方法は、「複写したものの交付」、「全部」を選択する

実際に届いた答案(システム監査・午後Ⅱ論文)
届くのは
👉 カラーコピーです。
- 設問ごとの点数 → 非公開
- 採点結果 → 黒塗り
それでも自分が試験中に必死で書いた答案が手元に届くと、
合格でも不合格でも我ながら頑張ったなと思います。
そして、次の試験へ向けてのモチベーションアップにつながります。
なお、実際に私が請求して受け取ったシステム監査技術者試験 午後Ⅱの論文答案は、別記事で全文を公開しています。本番の制限時間内でどんな構成・どの程度の字で書いたのか、リアルな参考資料としてあわせてご覧ください。
👉 【全文公開】システム監査技術者試験 午後Ⅱ 実際に提出した論文答案(IT-BCP監査)

まとめ|論文系受験者こそ答案開示請求を活用しよう
論文系をはじめとする高度情報処理技術者試験を受けられた方で、ご自身の答案を手元に残しておきたい方、あるいは次の受験に向けて弱点を分析したい方は、ぜひ一度請求してみてください。判断のポイントは次のとおりです。
費用は700円ほどかかりますが、不合格なら次の戦略の材料に、合格なら一生ものの記念になります。私自身は、請求して本当によかったと感じています。
- 不合格だった → 本番の答案を客観的に分析し、次回の弱点対策に使える
- 合格した → 数日で忘れてしまう論文を、記念・記録として残せる
- 請求は試験日から1年以内が目安(過ぎると廃棄され不開示)
- 支払いはネットバンキングが使えるなら振込が安くて早い
実際に届く答案のイメージがわかない方は、私の論文答案の全文公開記事もぜひ参考にしてください。
https://pirorin.com/system-audit-it-bcp-ronbun/
👉 【全文公開】システム監査技術者試験 午後Ⅱ 実際に提出した論文答案(IT-BCP監査)


